<aside> 💡 文章中のアミノ監督の言葉には、筆者の独自解釈が多分に含まれています。実際にアミノ監督がこのように仰ったのではございませんので、ご注意ください。

</aside>

そう、監督は言った。

人は変わる。30年も経てば尚更だ。

人は忘れていく。いったい何を考えてこんな物語を作ったのか。それも、今となっては朧げだ。

だけど、変わりゆくものの中に、それでも変わらない何かが、ここに確かにある。

今この時、30年の時を越え、再びここに集う魂があるように。

数多の魂が、30年前に作られた一つのアニメを食い入るように見つめているように。

変わっても、忘れても、それでもなお「アイアンリーガーが好きだ」と思うように。

だから、これから先、どんなに辛いことがあっても、「自分は大丈夫」と、思ってほしい。

生きることは容易いことではない。自分に絶望することもある。耐え難い喪失に直面することもある。悔やみきれない過ちも、今なお悪夢に見る過去もある。迷うこともある。立ち止まることもある。マグナムエースのように。シルバーキャッスルが、アイアンリーガーたちがそうであったように。

それでも、彼らは立ち上がった。時に自らの力で。時に仲間の助けを借りて。

マグナムエースに、シルバーキャッスルに出会い、彼らは変わっていった。確かに変わり、しかし、それでも変わらぬたった一つの自分のままで、今度はマグナムエースに、シルバーキャッスルに、他のアイアンリーガーたちに、次のパスを渡していった。

そして、それを見ていたギロチもまた、他の何者でもないギロチのままで、何かを感じ、変わっていった。

僕はそれを知っている。

そしてこの「出来過ぎた」物語が、30年前にきちんと完結していることを、僕は知っている。

そして時を越え、ある者には長く、ある者には新しく、今もなお愛されている事実を、僕は今日、目の当たりにした。